「言い訳は嘘よりも悪質で恐ろしい。なぜなら言い訳は、守られた嘘だからである」

教皇ヨハネ・パウロ2世(画像はイメージです)
教皇ヨハネ・パウロ2世(画像はイメージです)
  • 1920年5月18日~2005年4月2日(84歳没)
  • ポーランド出身
  • ローマ教皇、哲学者、神学者

英文

”An excuse is worse and more terrible than a lie, for an excuse is a lie guarded.”

日本語訳

「言い訳は嘘よりも悪質で恐ろしい。なぜなら言い訳は、守られた嘘だからである」

解説

この言葉は、ヨハネ・パウロ2世が誠実さと自己欺瞞の問題に深く切り込んだものである。単なる嘘はまだ明確な不誠実であるが、言い訳はそれを正当化の仮面で覆い隠すため、より深刻な内的腐敗を引き起こすとされている。言い訳とは、嘘を合理化しようとする意識的な行為であり、真実を避ける習慣へと人間を導く危険がある。

歴史的背景として、この発言は個人の道徳生活にとどまらず、政治や社会全体における不正義の構造にも通じている。権力者や組織が不正を犯した際、謝罪ではなく言い訳を選ぶことが信頼をさらに損なうことを、ヨハネ・パウロ2世は繰り返し訴えた。真理を大切にするキリスト教的倫理観において、言い訳は自己中心的な保身の現れであり、回心や赦しから遠ざける要因とみなされる。

現代においても、この名言は個人・組織・社会全体の誠実さを問う鋭い警句として響く。問題が生じたときに素直に過ちを認めず、言い訳によって自分を守ろうとする行為は、信頼の破壊と人間関係の分断を生む。この言葉は、真の自由と成熟は、誠実に真実を見つめる勇気から始まることを教えているのである。

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