「科学は宗教を誤りと迷信から浄化することができ、宗教は科学を偶像化や偽りの絶対化から浄化することができる」

- 1920年5月18日~2005年4月2日(84歳没)
- ポーランド出身
- ローマ教皇、哲学者、神学者
英文
”Science can purify religion from error and superstition. Religion can purify science from idolatry and false absolutes.”
日本語訳
「科学は宗教を誤りと迷信から浄化することができ、宗教は科学を偶像化や偽りの絶対化から浄化することができる」
解説
この言葉は、ヨハネ・パウロ2世が科学と宗教の相補的な関係を説いたものとして重要である。彼は科学と宗教を対立させるのではなく、互いに不足を補い合いながら人類の真理探究を深める役割を持つと考えていた。科学は実証によって宗教の中に潜む誤解や迷信を正し、宗教は倫理や価値観を通して科学が独善的・絶対化する危険を防ぐ働きを持つとされた。
歴史的背景として、この発言はガリレオ事件など過去の宗教と科学の対立を踏まえつつ、20世紀後半の科学技術の急速な発展を背景にしている。原子力や遺伝子工学といった分野では、人間の倫理的判断が伴わなければ大きな危険をもたらすことが明らかになった。ヨハネ・パウロ2世は、科学と宗教の協力による人類の進歩を目指していたのである。
現代においても、この名言はAI、バイオテクノロジー、環境問題などの分野に直結する。科学が暴走すれば人類を危険にさらすが、宗教や倫理がそれを方向づければ人間性を守る力となる。同時に宗教も科学の成果を謙虚に受け入れ、誤解や迷信から解放されねばならない。この言葉は、科学と宗教の対立ではなく、相互浄化と協働の必要性を示す普遍的な指針である。
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