「人類は再び、自らに問いかけねばならない。死と苦痛の舞台において、そこに残されるのは本来それを防ぐことができ、また防ぐべきであった交渉の場だけであるという、この不条理で常に不正義な戦争という現象について」

教皇ヨハネ・パウロ2世(画像はイメージです)
教皇ヨハネ・パウロ2世(画像はイメージです)
  • 1920年5月18日~2005年4月2日(84歳没)
  • ポーランド出身
  • ローマ教皇、哲学者、神学者

英文

”Humanity should question itself, once more, about the absurd and always unfair phenomenon of war, on whose stage of death and pain only remain standing the negotiating table that could and should have prevented it.”

日本語訳

「人類は再び、自らに問いかけねばならない。死と苦痛の舞台において、そこに残されるのは本来それを防ぐことができ、また防ぐべきであった交渉の場だけであるという、この不条理で常に不正義な戦争という現象について」

解説

この言葉は、ヨハネ・パウロ2世が戦争の不条理さと交渉の重要性を強調したものである。彼は、戦争がもたらすのは破壊と死だけであり、結局最後には交渉の場に戻らざるを得ないと指摘している。つまり、本来なら戦争の前に用いられるべき対話の場が、犠牲の後にしか登場しないという人類の愚かさを告発しているのである。

歴史的背景として、この発言は冷戦期や地域紛争の頻発に関連している。20世紀の戦争の多くは外交努力が不十分なまま勃発し、甚大な犠牲を出した後にようやく交渉が行われた。ヨハネ・パウロ2世は、戦争を「不正義な現象」と断じ、予防外交こそが人類の責務であると強調した。

現代においても、この名言は武力ではなく対話による解決の必要性を改めて示している。紛争が発生した後に和平交渉を行うのではなく、その前に真剣に協議を尽くすことが、人類の知恵であり責任である。つまりこの言葉は、戦争は常に敗北であり、対話の欠如こそがその原因であることを明確に教えているのである。

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