「国際連合は1979年を国際児童年と宣言した。子どもたちは私たちから、軍拡競争という避けられぬ遺産を受け継がねばならないのか」

教皇ヨハネ・パウロ2世(画像はイメージです)
教皇ヨハネ・パウロ2世(画像はイメージです)
  • 1920年5月18日~2005年4月2日(84歳没)
  • ポーランド出身
  • ローマ教皇、哲学者、神学者

英文

”The United Nations organization has proclaimed 1979 as the Year of the Child. Are the children to receive the arms race from us as a necessary inheritance?”

日本語訳

「国際連合は1979年を国際児童年と宣言した。子どもたちは私たちから、軍拡競争という避けられぬ遺産を受け継がねばならないのか」

解説

この言葉は、ヨハネ・パウロ2世が未来世代への責任を問う強い警告である。1979年という「国際児童年」にあたり、彼は人類が子どもたちにどのような世界を残すのかを直視させた。特に当時は冷戦下で核軍拡が激化しており、次世代に残されるのが平和ではなく恐怖の遺産であることに深い懸念を示している。

歴史的背景として、この発言は冷戦構造における米ソの核開発競争のただ中でなされたものである。大国同士の対立は世界規模の緊張を生み、未来を担う子どもたちの安全と希望を脅かしていた。ヨハネ・パウロ2世は、この現実を倫理的な問いとして突きつけ、軍拡ではなく平和をこそ子どもたちに残すべきだと訴えたのである。

現代においても、この言葉は環境破壊や紛争の継承といった形で新たな意味を持つ。例えば気候変動や地域戦争は次世代に重荷を残す危険を孕んでいる。ゆえにこの名言は、未来を生きる子どもたちにどのような世界を渡すのかという普遍的な問いを突きつけ続けているのである。

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