「効率とは物事を正しく行うことであり、効果性とは正しいことを行うことである」

- 1909年11月19日~2005年11月11日(95歳没)
- オーストリア出身
- 経営学者、思想家、著述家、「現代経営学の父」
英文
”Efficiency is doing things right; effectiveness is doing the right things.”
日本語訳
「効率とは物事を正しく行うことであり、効果性とは正しいことを行うことである」
解説
この言葉は、効率と効果性の違いを簡潔に示している。効率(Efficiency)は、与えられた作業を無駄なく正確に行うことを意味する。一方、効果性(Effectiveness)は、そもそもその作業が正しい方向に向かっているか、成果に結びつくかを問うものである。いくら効率的でも、間違った目的に努力を注げば成果は出ない。ドラッカーは、組織にとってまず優先されるのは「正しいことをする」効果性であると強調している。
背景には、20世紀の企業経営の課題がある。当時、多くの企業は業務の効率化に注力していたが、必ずしも市場や社会に適切な成果をもたらしていなかった。ドラッカーは、効率の追求だけではなく、組織の存在理由や目的に合致した活動を選び取る「効果性」が不可欠だと説いたのである。
現代においてもこの区別は重要である。たとえばIT開発において、効率的なコードを書くことは大切だが、顧客が求めない機能を作れば意味がない。逆に、顧客の課題を解決する正しい方向性を見極めれば、多少非効率であっても価値を生む。ドラッカーのこの言葉は、効率よりもまず効果性を優先すべきという経営の基本原則を示している。
感想はコメント欄へ
この名言に触れて、あなたの感想や名言に関する話などを是非コメント欄に書いてみませんか?
「ピーター・ドラッカー」の前後の名言へ
申し込む
0 Comments
最も古い