「希望という幻想に浸るのは自然なことである。我々はそのセイレーンに目を閉ざし、ついには死へと誘われるまで魅了されやすいのだ」

- 1736年5月29日~1799年6月6日(63歳没)
- アメリカ合衆国出身
- 弁護士、政治家
英文
”It is natural to indulge in the illusions of hope. We are apt to shut our eyes to that siren until she allures us to our death.”
日本語訳
「希望という幻想に浸るのは自然なことである。我々はそのセイレーンに目を閉ざし、ついには死へと誘われるまで魅了されやすいのだ」
解説
この言葉は、希望にすがる危険性を警告している。希望そのものは人を前進させる力となるが、現実を直視せずに幻想的な希望に溺れることは、かえって破滅を招く。ここで用いられる「セイレーン」は、甘美な歌声で船乗りを死へと誘ったギリシャ神話の存在であり、希望の危うさを象徴的に示す比喩である。
歴史的には、この発言はイギリスとの妥協を望む人々に対し、パトリック・ヘンリーが警告したものである。イギリスがこれまで繰り返してきた抑圧の歴史を見れば、将来も自由を与えるはずがない。それにもかかわらず「きっと和解できる」という幻想に縋るのは、まさにセイレーンに魅了される愚行だと彼は断じた。
現代においても、この名言は現実逃避的な楽観主義への戒めとして有効である。例えば、経済危機や環境問題において、根拠のない楽観論に依存すれば、対応が遅れ被害が深刻化する危険がある。ゆえに、この言葉は、希望と幻想を峻別し、現実に基づいた行動を取ることの重要性を教えているのである。
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