「私は我らの共和国のために多くの憂慮を抱いてきたが、その主な原因は通貨の価値下落によるものであった」

パトリック・ヘンリー(画像はイメージです)
パトリック・ヘンリー(画像はイメージです)
  • 1736年5月29日~1799年6月6日(63歳没)
  • アメリカ合衆国出身
  • 弁護士、政治家

英文

”I have had many anxieties for our commonwealth, principally occasioned by the depreciation of our money.”

日本語訳

「私は我らの共和国のために多くの憂慮を抱いてきたが、その主な原因は通貨の価値下落によるものであった」

解説

この言葉は、新生アメリカの経済的脆弱さに対する憂慮を示している。独立戦争期から建国直後にかけて、紙幣の乱発や金銀の不足により、通貨の価値は著しく下落し、人々の生活や国家財政に深刻な影響を与えた。パトリック・ヘンリーのような指導者は、この問題が共和国の安定と自由の維持に直結すると考えていた。

歴史的背景として、アメリカ独立戦争中に大陸会議は軍資金調達のため大量の紙幣を発行したが、裏付けとなる金銀が乏しかったため急速に信用を失った。これにより、インフレが進行し、兵士や農民が困窮する事態が生じた。ヘンリーの不安は、政治的独立を勝ち取っても経済的基盤が崩れれば国家は存続できないという現実を映し出している。

現代においても、この言葉は通貨の信頼性や経済の健全性が国家の安定に不可欠であることを思い起こさせる。ハイパーインフレに苦しむ国々の事例や、財政赤字と通貨不安が政情不安を招く現象は、その典型である。ゆえに、この発言は時代を超えて、経済的基盤の重要性を強調する教訓となっているのである。

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