「欲しい靴があるときに足を切り落とすように、欲望を削ぎ落として必要を満たそうとするストア派の考えは滑稽である」

- 1667年11月30日~1745年10月19日(77歳没)
- アイルランド出身
- 作家、風刺家、聖職者
英文
”The stoical scheme of supplying our wants by lopping off our desires, is like cutting off our feet when we want shoes.”
日本語訳
「欲しい靴があるときに足を切り落とすように、欲望を削ぎ落として必要を満たそうとするストア派の考えは滑稽である」
解説
この言葉は、ストア派哲学への批判的風刺である。ストア派は欲望を制御し、必要を減らすことで心の平安を得ようとした。しかしスウィフトは、それを「靴が欲しいなら足を切れ」という極端な比喩で描き、欲望の否定が本質的な解決にはならないと皮肉っている。
18世紀ヨーロッパにおいて、ストア派思想は禁欲や自制の模範とされていたが、同時に非現実的で過度に厳しいものと見なされることもあった。スウィフトはその非現実性を突き、人間の自然な欲望を否定することは人間性そのものを損なうと示唆している。この発言は、哲学的理想と人間の現実的欲求との乖離を鋭く批判するものである。
現代においても、この警句は示唆的である。欲望を完全に排除しようとするのではなく、適切に制御し調和を図ることが現実的な生き方である。スウィフトの言葉は、禁欲の過剰さを戒め、人生において欲望と理性をどう共存させるかという課題を普遍的に投げかけている。
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