「ある意味で人間は宇宙の小宇宙である。したがって人間とは何であるかは、宇宙への手がかりとなる。私たちは宇宙の中に包み込まれているのだ」

- 1917年12月20日~1992年10月27日(74歳没)
- アメリカ合衆国出身(後にイギリスに帰化)
- 理論物理学者、哲学者
英文
”In some sense man is a microcosm of the universe; therefore what man is, is a clue to the universe. We are enfolded in the universe.”
日本語訳
「ある意味で人間は宇宙の小宇宙である。したがって人間とは何であるかは、宇宙への手がかりとなる。私たちは宇宙の中に包み込まれているのだ」
解説
この言葉は、人間と宇宙の根源的なつながりを示している。デヴィッド・ボームは、人間を宇宙から切り離された存在としてではなく、宇宙の全体性の一部として捉えた。人間の意識や存在の在り方は、宇宙の深い性質を反映しており、私たち自身を理解することが宇宙理解への道を開くという視点である。
歴史的に見れば、「人間は小宇宙(ミクロコスモス)」という考えは古代ギリシャやルネサンスの哲学にも存在した。人間の身体や精神を宇宙の秩序の縮図と見る伝統は、自然哲学や宗教思想の中で繰り返し現れてきた。ボームの発想はこの伝統を科学的かつ哲学的に新たに捉え直したものであり、宇宙と人間の不可分の関係を強調する点に独自性がある。
現代においても、この考えは重要である。宇宙の法則は人間の中に現れ、また人間の思考や文化も宇宙の進化の一部であると考えるとき、私たちは自己と世界を断片化せずに理解できる。ボームの言葉は、人間の存在を通じて宇宙を知るという普遍的な視座を示し、科学と人間理解を結びつける深い洞察を与えている。
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