「実際、断片が本当に分離しているという観念に従って生きようとすることこそが、本質的には、今日私たちが直面している極めて切迫した一連の危機を招いてきたのである」

- 1917年12月20日~1992年10月27日(74歳没)
- アメリカ合衆国出身(後にイギリスに帰化)
- 理論物理学者、哲学者
英文
”Indeed, the attempt to live according to the notion that the fragments are really separate is, in essence, what has led to the growing series of extremely urgent crises that is confronting us today.”
日本語訳
「実際、断片が本当に分離しているという観念に従って生きようとすることこそが、本質的には、今日私たちが直面している極めて切迫した一連の危機を招いてきたのである」
解説
この言葉は、断片化された思考や生き方が現代の危機を生み出した根本原因であるという主張である。デヴィッド・ボームは、人間が世界を部分的・断片的に切り分け、独立したものとして扱うことで、全体性やつながりを見失い、それが環境破壊、社会的分断、戦争などの深刻な問題を引き起こしていると考えた。
歴史的に見ても、民族や国家を独立した断片として扱う発想は、植民地主義や領土紛争を生み、資源や環境を部分的利益の対象と見なす態度は、地球規模の環境危機を招いた。断片を分離したまま維持しようとする思考が、結果的に危機の連鎖を生んでいるのである。
現代においても、この洞察は切実である。経済のグローバル化は全体的なつながりを深めている一方で、各国が断片的利益を追求することで不均衡と対立が拡大している。ボームの言葉は、全体性を回復し、断片化した思考を超えることが、現代の緊急課題に対処する唯一の道であると警告している。
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