「ここ数十年の間に、ラジオ、テレビ、航空機、そして人工衛星を備えた現代技術は、世界のあらゆる場所をほとんど瞬時に他のすべての場所と結びつける通信網を織り上げた」

デヴィッド・ボーム(画像はイメージです)
  • 1917年12月20日~1992年10月27日(74歳没)
  • アメリカ合衆国出身(後にイギリスに帰化)
  • 理論物理学者、哲学者

英文

”During the past few decades, modern technology, with radio, TV, air travel, and satellites, has woven a network of communication which puts each part of the world in to almost instant contact with all the other parts.”

日本語訳

「ここ数十年の間に、ラジオ、テレビ、航空機、そして人工衛星を備えた現代技術は、世界のあらゆる場所をほとんど瞬時に他のすべての場所と結びつける通信網を織り上げた」

解説

この言葉は、現代技術がもたらしたグローバルな通信網の形成を描写している。デヴィッド・ボームは、科学技術の進歩が世界を物理的・情報的に緊密につなげた現実に注目した。かつては隔絶していた地域同士が、通信や移動手段の発達によって即時的に接触できるようになったことは、人類史における大きな変化である。

歴史的に見れば、印刷術や電信の発明も世界を縮めてきたが、20世紀半ば以降のラジオ、テレビ、航空機、人工衛星は、その規模と速度において格段の飛躍を遂げた。冷戦期においても、放送や航空移動は国境を越えた情報と文化の交流を可能にし、同時に宣伝や影響力の拡大にも利用された。技術が世界を一つのネットワークとして結びつけたことは、社会や政治のあり方を根底から変えた。

現代においては、この言葉はさらに現実味を帯びている。インターネットやスマートフォンは、世界のほぼ全ての人々を瞬時に結びつける環境を生み出した。しかし同時に、誤情報や分断の拡大という新たな問題も引き起こしている。ボームの言葉は、技術による結びつきが真の意味の共有を生むか、それとも混乱を拡大するかは人間の意識次第であるという重要な課題を示している。

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