「企業はシステムとして組織されている――この部署やあの部署があり、それぞれは単独では意味を持たず、共に機能してはじめて成り立つ。同様に身体もシステムである。社会もある意味でシステムである。そしてそのように続いていく」

- 1917年12月20日~1992年10月27日(74歳没)
- アメリカ合衆国出身(後にイギリスに帰化)
- 理論物理学者、哲学者
英文
”A corporation is organized as a system – it has this department, that department, that department… they don’t have any meaning separately; they only can function together. And also the body is a system. Society is a system in some sense. And so on.”
日本語訳
「企業はシステムとして組織されている――この部署やあの部署があり、それぞれは単独では意味を持たず、共に機能してはじめて成り立つ。同様に身体もシステムである。社会もある意味でシステムである。そしてそのように続いていく」
解説
この言葉は、システムとしての全体性を理解する重要性を説いている。デヴィッド・ボームは、企業や身体、社会といった異なる領域に共通する構造を「相互依存的なシステム」として捉えた。部分は独立して存在しているように見えても、実際には全体の中で初めて意味と機能を持つのである。部分と全体の関係性を強調する点にボームの思想の特徴が表れている。
歴史的に見れば、産業革命以降の経済社会は分業化と専門化を進めてきた。しかし同時に、その部分が全体から切り離されると効率化どころか不調和を招くことが明らかになった。身体の器官が互いに支え合って働くように、社会や企業も統合的に機能する仕組みがなければ維持できないのである。
現代においても、この洞察は重要である。気候変動のような地球規模の課題もまた、個別の国家や分野では解決できず、全体的なシステム思考が求められる。ボームの言葉は、システム全体を視野に入れることの必要性を明確に示し、社会や組織のあり方を考える上で普遍的な示唆を与えている。
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