「愛こそが欠けている要素である。人間関係には愛情や温かさが不足している。そして私たちがその愛、その優しさ、その寛大さ、その慈悲を関係の中に欠いているがゆえに、大衆的行動へと逃避し、さらなる混乱と苦悩を生み出している」

- 1895年5月11日~1986年2月17日(90歳没)
- インド出身
- 思想家、精神的指導者
英文
”Love is the missing factor; there is a lack of affection, of warmth in relationship; and because we lack that love, that tenderness, that generosity, that mercy in relationship, we escape into mass action, which produces further confusion, further misery.”
日本語訳
「愛こそが欠けている要素である。人間関係には愛情や温かさが不足している。そして私たちがその愛、その優しさ、その寛大さ、その慈悲を関係の中に欠いているがゆえに、大衆的行動へと逃避し、さらなる混乱と苦悩を生み出している」
解説
この言葉は、人間関係における愛の欠如を根源的な問題として指摘している。クリシュナムルティは、社会の混乱や集団行動による対立の背景には、個々人の関係における愛情や温もりの不足があると説く。愛がなければ、人間関係は形式的で冷たいものとなり、その欠落を補うために人はイデオロギーや集団活動に逃避するが、それは新たな混乱と苦悩をもたらすにすぎない。
ここで重要なのは、社会的問題の根源は個人の内面と人間関係にあるという洞察である。愛、優しさ、寛大さ、慈悲といった要素が個々の関係に生きていれば、外側の世界に対する混乱も減少する。しかしそれが欠落すれば、集団主義や政治運動といった形で「外」に解決を求め、結果的にさらなる分裂や争いを引き起こす。
現代社会においても、この言葉は鋭い意味を持つ。SNS上での対立や政治的分断、大規模な抗議や運動の背後にも、しばしば人間同士の直接的な愛情や理解の欠如が存在する。クリシュナムルティの言葉は、社会を変えるためにはまず個人と個人の関係において愛を実現することが不可欠であると教えているのである。
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