「語られていることだけでなく、すべてをどう聞くかを見出すことが重要ではないだろうか――街の騒音、小鳥のさえずり、路面電車の音、落ち着きのない海、夫や妻や友人の声、赤ん坊の泣き声にまで」

ジッドゥ・クリシュナムルティ(画像はイメージです)
ジッドゥ・クリシュナムルティ(画像はイメージです)
  • 1895年5月11日~1986年2月17日(90歳没)
  • インド出身
  • 思想家、精神的指導者

英文

”Is it not important to find out how to listen not only to what is being said but to everything – to the noise in the streets, to the chatter of birds, to the noise of the tramcar, to the restless sea, to the voice of your husband, to your wife, to your friends, to the cry of a baby?”

日本語訳

「語られていることだけでなく、すべてをどう聞くかを見出すことが重要ではないだろうか――街の騒音、小鳥のさえずり、路面電車の音、落ち着きのない海、夫や妻や友人の声、赤ん坊の泣き声にまで」

解説

この言葉は、聞くという行為の全体性を強調している。クリシュナムルティは、聞くことを単に言葉を理解する行為にとどめず、あらゆる音に心を開く姿勢として捉えている。街の喧騒や自然の音、身近な人々の声など、すべてを偏りなく聞くことによって、世界を直接的に感じ取ることができるのである。

ここで重要なのは、聞くことの質である。通常、私たちは選択的に、関心のあるものや意味のあるものだけを聞こうとする。しかし、それは部分的な理解に過ぎない。偏りなく「全体を聞く」ことによって、心は新鮮で柔軟な状態となり、日常の中に潜む深い気づきを得ることができる。

現代社会においても、この洞察は大きな価値を持つ。情報の洪水や絶え間ない雑音の中で、人は注意を限定しがちだが、それでは世界を断片的にしか受け取れない。クリシュナムルティの言葉は、あらゆる音に対して開かれた耳を持つことが、自己理解と世界理解の基盤であることを教えている。

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