「私たちは愛が何であるかを知らない。私たちが知っているのはその症状であり、喜びや苦痛、恐れや不安などである。私たちはその症状を解決しようとするが、それは暗闇の中をさまようこととなる。私たちはこの中で日々と夜を過ごし、それはやがて死によって終わる」

ジッドゥ・クリシュナムルティ(画像はイメージです)
ジッドゥ・クリシュナムルティ(画像はイメージです)
  • 1895年5月11日~1986年2月17日(90歳没)
  • インド出身
  • 思想家、精神的指導者

英文

”We do not know what love is. We know the symptoms of it, the pleasure, the pain, the fear, the anxiety and so on. We try to solve the symptoms, which becomes a wandering in darkness. We spend our days and nights in this, and it is soon over in death.”

日本語訳

「私たちは愛が何であるかを知らない。私たちが知っているのはその症状であり、喜びや苦痛、恐れや不安などである。私たちはその症状を解決しようとするが、それは暗闇の中をさまようこととなる。私たちはこの中で日々と夜を過ごし、それはやがて死によって終わる」

解説

この言葉は、愛の本質と人間の誤解について語っている。クリシュナムルティは、私たちが「愛」と呼んでいるものの多くは、その本質ではなく、喜びや苦痛、恐れや不安といった付随的な感情にすぎないと指摘する。人はそれらの症状を愛そのものと混同し、問題の解決をそこに求めるが、結果として愛の本質にたどり着けない。

ここで強調されているのは、症状にとらわれることの無益さである。愛を喜びの獲得や痛みの回避として理解する限り、人はその周囲をぐるぐるとさまようだけで、本質を理解することはできない。その迷走は日常を支配し、やがて死によって途切れるが、真理に触れることなく終わってしまうのである。

現代社会においても、この洞察は深い意味を持つ。愛が欲望や不安、依存と結びつけられることは多いが、それは愛の一部ではなく影にすぎない。クリシュナムルティの言葉は、愛の本質を症状から切り離し、静かに観察することでのみ、本当の理解に近づけると示している。

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