「理解について語るとき、それは必ず心が完全に聞いているときにのみ起こる――その心とは、あなたの心臓、神経、耳であり――そこに全注意を注いでいるときである」

ジッドゥ・クリシュナムルティ(画像はイメージです)
ジッドゥ・クリシュナムルティ(画像はイメージです)
  • 1895年5月11日~1986年2月17日(90歳没)
  • インド出身
  • 思想家、精神的指導者

英文

”When we talk about understanding, surely it takes place only when the mind listens completely – the mind being your heart, your nerves, your ears – when you give your whole attention to it.”

日本語訳

「理解について語るとき、それは必ず心が完全に聞いているときにのみ起こる――その心とは、あなたの心臓、神経、耳であり――そこに全注意を注いでいるときである」

解説

この言葉は、理解の成立条件についての深い洞察を示している。クリシュナムルティは、理解とは単なる知的把握ではなく、全存在を通して対象に向き合うときにのみ生じると説いた。心、神経、耳といった比喩は、部分的な注意ではなく、全体的で生きた注意が必要であることを強調している。

ここで重要なのは、注意の質である。思考が別のことに散漫になり、心が欲望や恐れにとらわれているときには、理解は決して成立しない。全的な注意を向けることで、対象はそのままの姿で現れ、そこに真の理解が生まれる。これは観察や対話においても同じである。

現代社会においても、この洞察は極めて実践的である。情報の氾濫や絶え間ない刺激の中で、人は注意を分散させがちである。しかし、クリシュナムルティの言葉は、理解は集中した全注意の中でのみ可能であると教えており、深い学びや人間関係の成立に不可欠な姿勢を示している。

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