「組織化された殺人こそが戦争である。そして私たちは特定の戦争――核戦争であれ、他の種類の戦争であれ――には抗議してきたが、戦争そのものに対しては決して抗議してこなかった」

ジッドゥ・クリシュナムルティ(画像はイメージです)
ジッドゥ・クリシュナムルティ(画像はイメージです)
  • 1895年5月11日~1986年2月17日(90歳没)
  • インド出身
  • 思想家、精神的指導者

英文

”Organized murder is war, and though we demonstrate against a particular war, the nuclear, or any other kind of war, we have never demonstrated against war.”

日本語訳

「組織化された殺人こそが戦争である。そして私たちは特定の戦争――核戦争であれ、他の種類の戦争であれ――には抗議してきたが、戦争そのものに対しては決して抗議してこなかった」

解説

この言葉は、戦争の本質に対する根源的な批判である。クリシュナムルティは、戦争を国家や大義の名で正当化された「組織化された殺人」と断じ、その残酷さを覆い隠す言葉や理屈を拒否した。彼は、社会が個別の戦争に反対しても、戦争そのものを拒絶するには至っていないと指摘する。

ここで強調されているのは、部分的な反対と根源的な拒絶の違いである。特定の戦争に抗議することはあっても、戦争という仕組みそのものを断ち切ろうとする姿勢はほとんど見られない。国家主義、宗教、経済的利益といった構造が戦争を生み出し続ける限り、抗議は表層的なものにとどまる。

現代においても、この指摘は重い意味を持つ。人々は核兵器や地域紛争には声を上げるが、軍事力そのものや戦争という制度に対しては沈黙しがちである。クリシュナムルティの言葉は、戦争の根源にある人間の意識と社会の在り方を変えない限り、真の平和は訪れないことを強く訴えている。

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