「真理を引き下ろすことはできない。むしろ、個人が努力してそれに登らねばならない。山頂を谷に持ってくることはできない。もし山頂に至りたいなら、谷を通り、険しい坂を登り、危険な断崖を恐れずに進まねばならない」

ジッドゥ・クリシュナムルティ(画像はイメージです)
ジッドゥ・クリシュナムルティ(画像はイメージです)
  • 1895年5月11日~1986年2月17日(90歳没)
  • インド出身
  • 思想家、精神的指導者

英文

”Truth cannot be brought down; rather, the individual must make the effort to ascend to it. You cannot bring the mountaintop to the valley. If you would attain to the mountaintop, you must pass through the valley, climb the steeps, unafraid of the dangerous precipices.”

日本語訳

「真理を引き下ろすことはできない。むしろ、個人が努力してそれに登らねばならない。山頂を谷に持ってくることはできない。もし山頂に至りたいなら、谷を通り、険しい坂を登り、危険な断崖を恐れずに進まねばならない」

解説

この言葉は、真理への到達は容易ではなく、個々人の主体的努力が不可欠であるということを強調している。クリシュナムルティは、真理を安易に手に入れられるものとして扱うことを否定し、それを自らの内的探究と成長によってのみ獲得できると説いた。山頂と谷の比喩は、真理の高さと困難さを示している。

ここで重要なのは、真理を他者から与えられるものとして求める姿勢の否定である。教師や宗教的権威、思想体系は山頂を「谷に持ち込む」ことはできない。人は自らの恐れや困難に直面しながら、少しずつ登り続けるしかない。危険や苦難を避けるのではなく、それに向き合うことこそが真理への道であるとされる。

現代においても、この洞察は普遍的な意味を持つ。自己啓発や簡便な答えを提供する思想に頼ることは多いが、真の理解や自由は安易な近道ではなく、不断の努力と勇気を伴う探究から生まれる。クリシュナムルティの言葉は、真理を求める者が依存を捨て、自らの力で歩むべきであることを強く訴えている。

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