「たとえ海外で教育を受け、偉大な科学者や政治家になったとしても、もし寺院に行かなかったり、言われてきた普通のことをしなかったりすれば、何か悪いことが起きるのではないかという密かな恐れを常に抱いている。そのために人は従うのである。従う心には何が起こるのか。どうか調べてほしい」

ジッドゥ・クリシュナムルティ(画像はイメージです)
ジッドゥ・クリシュナムルティ(画像はイメージです)
  • 1895年5月11日~1986年2月17日(90歳没)
  • インド出身
  • 思想家、精神的指導者

英文

”You may be educated abroad, you may be a great scientist, politician, but you always have a sneaking fear that if you don’t go to temples or do the ordinary things that you have been told to do, something evil might happen, so you conform. What happens to the mind that conforms? Investigate it, please.”

日本語訳

「たとえ海外で教育を受け、偉大な科学者や政治家になったとしても、もし寺院に行かなかったり、言われてきた普通のことをしなかったりすれば、何か悪いことが起きるのではないかという密かな恐れを常に抱いている。そのために人は従うのである。従う心には何が起こるのか。どうか調べてほしい」

解説

この言葉は、恐れによる同調の問題を明確に浮き彫りにしている。クリシュナムルティは、人がどれほど教育を受け、地位や知識を持っていても、根底にある恐怖が行動を支配していると指摘する。特に宗教的慣習や社会的規範に対する従順さは、信仰心ではなく「不安からの服従」である場合が多い。

ここで問われているのは、従うことで心に何が起こるかである。恐れに基づく同調は、心の自由を奪い、自発性や独自の理解を失わせる。人が習慣や伝統に無批判に従うとき、思考は麻痺し、真理を探求する力を失ってしまう。従順な心は秩序を保つかのように見えるが、実際には恐れによって閉ざされ、停滞するのである。

現代社会においても、この指摘はなお有効である。形式的な宗教儀礼や社会的慣習に従う背景には、しばしば「外れると不利益を被るのではないか」という恐怖がある。クリシュナムルティの言葉は、恐れからの服従を観察し、それが自由を奪う仕組みを理解することの重要性を説いている。

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