「もし私たちが幸福を他者や社会、環境に依存するなら、それらは私たちにとって不可欠なものとなる。私たちはそれにしがみつき、それらが変化することを激しく拒む。なぜなら、私たちは心理的な安心と快適さのためにそれに依存しているからである」

ジッドゥ・クリシュナムルティ(画像はイメージです)
ジッドゥ・クリシュナムルティ(画像はイメージです)
  • 1895年5月11日~1986年2月17日(90歳没)
  • インド出身
  • 思想家、精神的指導者

英文

”If we depend for our happiness on another, on society or on environment, they become essential to us; we cling to them, and any alteration of these we violently oppose because we depend upon them for our psychological security and comfort.”

日本語訳

「もし私たちが幸福を他者や社会、環境に依存するなら、それらは私たちにとって不可欠なものとなる。私たちはそれにしがみつき、それらが変化することを激しく拒む。なぜなら、私たちは心理的な安心と快適さのためにそれに依存しているからである」

解説

この言葉は、依存と心理的な安全欲求の危険性を指摘している。クリシュナムルティは、人間が幸福を外部の対象に求めると、それを失うことへの恐れから強い執着が生まれ、変化を拒む態度に繋がると考えた。外的な要素が揺らぐことは、心の安定を脅かすため、それを守ろうとして対立や暴力的な反応さえ引き起こすのである。

ここで重要なのは、心理的な安全を他に委ねることのもろさである。社会制度や環境、他者の承認に幸福を依存すればするほど、それらが変わったときに心は不安定となる。クリシュナムルティが説くのは、外部の支えではなく、自らの内なる理解と自由を基盤とする生き方である。

現代社会においてもこの洞察は鮮明である。経済状況や人間関係、社会的地位に過剰に依存することで、人はしばしば変化に対して防御的、排他的になる。クリシュナムルティの言葉は、真の幸福は外的要因にではなく、内的な自由と理解に根ざすべきであるという普遍的な教えを伝えている。

感想はコメント欄へ

この名言に触れて、あなたの感想や名言に関する話などを是非コメント欄に書いてみませんか?

「ジッドゥ・クリシュナムルティ」の前後の名言へ


申し込む
注目する
guest

0 Comments
最も古い
最も新しい 高評価
インラインフィードバック
すべてのコメントを見る