「必要なのは、逃避や支配、抑圧、あるいは他のいかなる抵抗でもなく、恐れを理解することである。それは恐れを観察し、それについて学び、それに直接触れることを意味する。私たちが学ぶべきは恐れから逃れる方法ではなく、恐れそのものである」

ジッドゥ・クリシュナムルティ(画像はイメージです)
ジッドゥ・クリシュナムルティ(画像はイメージです)
  • 1895年5月11日~1986年2月17日(90歳没)
  • インド出身
  • 思想家、精神的指導者

英文

”What is needed, rather than running away or controlling or suppressing or any other resistance, is understanding fear; that means, watch it, learn about it, come directly into contact with it. We are to learn about fear, not how to escape from it.”

日本語訳

「必要なのは、逃避や支配、抑圧、あるいは他のいかなる抵抗でもなく、恐れを理解することである。それは恐れを観察し、それについて学び、それに直接触れることを意味する。私たちが学ぶべきは恐れから逃れる方法ではなく、恐れそのものである」

解説

この言葉は、恐れとの向き合い方を根本的に問い直すものである。クリシュナムルティは、人間が恐怖を克服しようとするとき、しばしば逃避や抑圧といった方法を用いるが、それは恐怖を根本的に解消することにはならないと考えた。恐れを外的に排除しようとする姿勢自体が、新たな葛藤を生み出すのである。

彼が強調するのは、恐れを正面から観察し理解することである。恐れの原因や働きを学ぶことによって、恐れは単なる脅威ではなく理解可能な心理現象として捉え直される。恐怖を対象化し、直接触れることで、それはもはや圧倒的な力を持たなくなるというのが彼の洞察である。

現代においても、この教えは有効である。社会的な不安や個人的な心配事に直面したとき、逃避や抑圧は一時的な効果しかもたらさない。むしろ、恐れを冷静に観察し、その仕組みを学ぶ姿勢が精神的な自由につながる。クリシュナムルティの言葉は、恐れを敵とするのではなく、理解を通じて超えるべき対象として提示しているのである。

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