「私たちが自然との関係をほとんど持たないというのは奇妙である。昆虫や跳ねるカエル、丘の間でつがいを呼ぶフクロウとの関わりがない。私たちは地上のすべての生き物に対する感情を抱いていないように思われる」

ジッドゥ・クリシュナムルティ(画像はイメージです)
ジッドゥ・クリシュナムルティ(画像はイメージです)
  • 1895年5月11日~1986年2月17日(90歳没)
  • インド出身
  • 思想家、精神的指導者

英文

”It is odd that we have so little relationship with nature, with the insects and the leaping frog and the owl that hoots among the hills calling for its mate. We never seem to have a feeling for all living things on the earth.”

日本語訳

「私たちが自然との関係をほとんど持たないというのは奇妙である。昆虫や跳ねるカエル、丘の間でつがいを呼ぶフクロウとの関わりがない。私たちは地上のすべての生き物に対する感情を抱いていないように思われる」

解説

この言葉は、人間が自然とのつながりを失っている現実を鋭く指摘したものである。産業化と都市化が進んだ20世紀において、人間は自然環境から切り離され、利便性や経済的発展を優先して生き物との関係を軽視するようになった。クリシュナムルティは、この断絶こそが精神的な貧困を生み出すと考えていたのである。

彼が強調するのは、生き物すべてに対する感受性や共感の欠如である。人間が他の生命を単なる資源や背景とみなすとき、その結果は自然破壊や環境危機となって表れる。昆虫やカエル、フクロウといった小さな存在への無関心は、同時に人間自身の内面的な鈍感さを示している。

現代においてもこの言葉は重要な意味を持つ。気候変動や生態系の崩壊が深刻化する今、自然と再び関係を築き直すことが人類の課題となっている。例えば都市における緑地保護や、持続可能な農業、環境教育はその具体例である。クリシュナムルティの指摘は、人間が自然の一部であるという自覚を取り戻すための呼びかけであるといえる。

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