「芸術家や作家が尊敬されるのではなく疑われることを、無自覚かつ恐れながら許してしまう国は、もはやユーモアや深みを備えた国とは見なされない」

ジェームズ・サーバー(画像はイメージです)
  • 1894年12月8日~1961年11月2日(66歳没)
  • アメリカ合衆国出身
  • 作家、ユーモア作家

英文

”The nation that complacently and fearfully allows its artists and writers to become suspected rather than respected is no longer regarded as a nation possessed with humor or depth.”

日本語訳

「芸術家や作家が尊敬されるのではなく疑われることを、無自覚かつ恐れながら許してしまう国は、もはやユーモアや深みを備えた国とは見なされない」

解説

この名言は、芸術家や作家の社会的位置づけを通じて国の健全性を測る視点を示している。芸術家が尊敬される国は多様な表現を許容する余裕を持つが、疑いの対象となる国は自由を失い、文化的豊かさを喪失する。ここでの「疑われる」とは、体制への批判や独創的表現が監視や弾圧の対象になることを指している。

歴史的背景として、20世紀半ばには米国におけるマッカーシズムや、ソ連における検閲などが存在した。芸術家や作家が体制批判を理由に追放されたり疑念の目で見られることは、国全体の知的自由やユーモアの喪失に直結した。サーバーはそうした社会の硬直を強く批判したのである。

現代においても、表現の自由や批判精神は民主社会の健全さを測る尺度である。もし芸術家が恐れに縛られ、尊敬されるよりも疑われる存在になれば、その国は創造性を失い、内面の深みを持たなくなる。ユーモアや深さは自由の土壌にしか育たないという警句として受け取るべきである。

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