「犬が人間を自らの賢明さの水準へ引き上げることに成功することはめったにない。しかし人間はしばしば犬を自分の水準へと引きずり下ろしてきた」

ジェームズ・サーバー(画像はイメージです)
  • 1894年12月8日~1961年11月2日(66歳没)
  • アメリカ合衆国出身
  • 作家、ユーモア作家

英文

”The dog has seldom been successful in pulling man up to its level of sagacity, but man has frequently dragged the dog down to his.”

日本語訳

「犬が人間を自らの賢明さの水準へ引き上げることに成功することはめったにない。しかし人間はしばしば犬を自分の水準へと引きずり下ろしてきた」

解説

この名言は、人間と犬の知恵の対比を逆転させた風刺である。通常、人間は犬より優れていると考えられるが、サーバーはむしろ犬の方が純粋で賢明であるとし、人間がその水準に達することはまれだと述べている。さらに、人間は逆に犬を自らの愚かさに巻き込み、堕落させてしまうことが多いと皮肉を込めて語っている。

時代背景として、20世紀前半のアメリカでは犬は家庭の象徴的存在であり、忠誠や誠実さのモデルとされていた。一方、人間社会は戦争や社会的混乱を抱えており、その矛盾を背景に、サーバーは人間の愚行と動物の純粋さの対比をユーモラスに描き出したのである。

現代においても、この言葉は強い共感を呼ぶ。犬は無条件の愛情や忠誠を示す一方で、人間はしばしば利己的で破壊的な行動をとる。サーバーの名言は、動物の方が人間よりも賢明である場合があるという逆説を通じて、人間自身の愚かさを省みる警句として、今なお響き続けている。

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