「機知家は他人を笑いものにし、風刺家は世界を笑いものにする。だがユーモア家は自分自身を笑いものにし、そのことによって人々と自らを同一化する――世界中の人々と。それは人々を解体するためではなく、単に彼らの本性を明らかにするためなのだ」

ジェームズ・サーバー(画像はイメージです)
  • 1894年12月8日~1961年11月2日(66歳没)
  • アメリカ合衆国出身
  • 作家、ユーモア作家

英文

”The wit makes fun of other persons; the satirist makes fun of the world; the humorist makes fun of himself, but in so doing, he identifies himself with people – that is, people everywhere, not for the purpose of taking them apart, but simply revealing their true nature.”

日本語訳

「機知家は他人を笑いものにし、風刺家は世界を笑いものにする。だがユーモア家は自分自身を笑いものにし、そのことによって人々と自らを同一化する――世界中の人々と。それは人々を解体するためではなく、単に彼らの本性を明らかにするためなのだ」

解説

この名言は、機知・風刺・ユーモアの違いを明確に描き分けている。機知(wit)は鋭さによって他者を標的とし、風刺(satire)は社会や世界を対象に批判を行う。一方ユーモア(humor)は自分自身を笑いの対象とすることで、人々と共感を生み、普遍的な人間性を浮かび上がらせるとサーバーは説く。

時代背景として、20世紀前半のアメリカ文学や大衆文化では、ユーモアは単なる娯楽を超えて社会批評や人間観察の重要な手段であった。サーバー自身も自分の弱さや滑稽さを題材にすることで、人々の共感を呼び、同時に人間の本質を照らし出した。ここには、他者を笑いものにするのではなく、人間全体の姿を映すという彼のユーモア観が反映されている。

現代においても、この言葉は重要な指針となる。SNSやメディアでは他人や社会を批判する言葉が氾濫しているが、サーバーの言うユーモアは自己を笑うことで人々とのつながりを生む姿勢を示している。批判よりも共感、攻撃よりも理解を生み出す力としてのユーモアは、今なお普遍的な価値を持ち続けている。

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