「仮に西方カトリシズムが独身制の問題を見直すとしたら、それは普遍的な選択というよりも、文化的な理由によるものだと思う。」

- 1936年12月17日~2025年4月21日(88歳没)
- アルゼンチン出身
- カトリック教会第266代ローマ教皇
英文
“If, hypothetically, Western Catholicism were to review the issue of celibacy, I think it would do so for cultural reasons, not so much as a universal option.”
日本語訳
「仮に西方カトリシズムが独身制の問題を見直すとしたら、それは普遍的な選択というよりも、文化的な理由によるものだと思う。」
解説
この言葉は、聖職者の独身制に関する見解を示している。フランシスコは、独身制が教会の本質的な教義ではなく、文化的・歴史的な背景に基づく規範であることを示唆している。したがって、この規範を見直すとすれば、信仰の普遍性に関わるものではなく、文化的な状況や地域的事情に応じた調整になるという立場を取っている。
背景として、カトリック教会における独身制は中世以降に強く定着した制度であり、初期教会や東方カトリック教会には結婚した司祭も存在している。フランシスコはこの歴史的事実を踏まえ、独身制を絶対的な神学的義務とはせず、文化に左右される制度的要素として位置づけている。
この発言は現代社会における聖職者不足の問題とも関係する。独身制を見直すことは司祭の増加につながる可能性があるが、フランシスコは拙速な結論を避け、文化的背景を尊重した柔軟な議論の必要性を訴えている。ここには、伝統を守りつつも現代の課題に対応しようとする、彼の慎重かつ現実的な姿勢が表れている。
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