「意識的なキリスト者であるためには、パウロ抜きではありえない。彼はキリストの教えを教義的な枠組みに翻訳し、多くの思想家や神学者、司牧者による膨大な付加を経ても、二千年経った今なお残り続けている。」

教皇フランシスコ(画像はイメージです)
教皇フランシスコ(画像はイメージです)
  • 1936年12月17日~2025年4月21日(88歳没)
  • アルゼンチン出身
  • カトリック教会第266代ローマ教皇

英文

“You cannot be a conscious Christian without St. Paul. He translated the teachings of Christ into a doctrinal structure that, even with the additions of a vast number of thinkers, theologians and pastors, has resisted and still exists after two thousand years.”

日本語訳

「意識的なキリスト者であるためには、パウロ抜きではありえない。彼はキリストの教えを教義的な枠組みに翻訳し、多くの思想家や神学者、司牧者による膨大な付加を経ても、二千年経った今なお残り続けている。」

解説

この言葉は、パウロの役割の決定的な重要性を強調している。イエスの生涯と教えは福音書に記録されているが、それを体系的な神学として構築し、異邦人にまで伝える役割を担ったのがパウロである。フランシスコは、キリスト教が単なる口承や物語に留まらず、普遍的な信仰共同体を形成する思想的基盤を持つことができたのは、パウロの働きによると見ている。

また、パウロの教えは後の神学者や教父たちによって発展・解釈され続けてきたが、根本部分は二千年の歴史を超えて今も力を失っていない。ここには、教義の普遍性と持続性に対する深い信頼が表れている。すなわち、歴史の変化や文化の多様性を超えて、キリストの教えが人々の心に届き続けていることの証である。

この視点は、現代の信徒にとっても重要である。例えば、倫理的課題や社会問題に直面したとき、パウロの神学的思考の枠組みは今も指針となり得る。フランシスコは、パウロを抜きにしてはキリスト者の自己理解が成立しないと断言することで、聖書解釈と信仰実践の基盤を再確認させているのである。

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