「私は神を信じている――カトリックの神をではない。カトリックの神など存在しない。神がおられるのだ。そして私はイエス・キリスト、すなわちその受肉を信じる。イエスは私の師であり、牧者である。しかし神、御父であるアッバは光であり、創造主である。これが私の存在そのものである。」

- 1936年12月17日~2025年4月21日(88歳没)
- アルゼンチン出身
- カトリック教会第266代ローマ教皇
英文
“I believe in God – not in a Catholic God; there is no Catholic God. There is God, and I believe in Jesus Christ, his incarnation. Jesus is my teacher and my pastor, but God, the Father, Abba, is the light and the Creator. This is my Being.”
日本語訳
「私は神を信じている――カトリックの神をではない。カトリックの神など存在しない。神がおられるのだ。そして私はイエス・キリスト、すなわちその受肉を信じる。イエスは私の師であり、牧者である。しかし神、御父であるアッバは光であり、創造主である。これが私の存在そのものである。」
解説
この言葉は、神の普遍性を強調したフランシスコの信仰告白である。彼は「カトリックの神」という限定的な存在はなく、神はすべての人類に共通しておられると述べる。この姿勢は、カトリック信仰の独占的な立場を超えて、宗教を超えた普遍的神理解を示している。
歴史的に、第二バチカン公会議以降、カトリック教会は他宗教との対話や共通善の探求を重視してきた。フランシスコの言葉は、この流れを引き継ぎながらもさらに大胆に、神を特定の宗派に限定することを拒否する。ここでは、神は唯一にして全人類の父であるという聖書的理解が、現代的な包摂の精神と結びついて表現されている。
現代社会において、この発言は信仰の境界を和らげるものである。宗派の違いを超えて、人々が「光であり創造主である神」に結ばれる可能性を示す。そしてイエスを師・牧者として仰ぐ姿勢は、個人的な信仰の核心でありつつも、普遍的神理解と両立することを明らかにしている。フランシスコはここで、自らの存在の根底が神に根差すことを宣言しているのである。
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