「私たち皆が持つ善を行う可能性の根源は、被造にある」

• 1936年12月17日～2025年4月21日（88歳没）
• アルゼンチン出身
• カトリック教会第266代ローマ教皇

英文

“The root of this possibility of doing good – that we all have – is in creation.”

日本語訳

「私たち皆が持つ善を行う可能性の根源は、被造にある」

解説

この言葉は、善を行う力の起源を神の創造に見出している。フランシスコは、人間が善を行う能力を後天的なものとしてではなく、創造の瞬間から与えられた本質的な賜物として理解している。つまり、善行は特定の信仰者や聖職者に限られたものではなく、すべての人に宿る普遍的な可能性である。

神学的伝統においても、人間は神の似姿（イマゴ・デイ）として創造され、良心と善への志向を与えられたとされる。原罪や弱さの現実は存在するが、それでもなお善を求める力は創造の根にある。この視点は、悲観的な人間観に傾かず、希望に満ちた人間理解を示している。

現代社会において、この言葉は、人間の可能性を信じ、教育・福祉・社会制度の中で善を引き出す努力の正当性を支えている。人間は環境や文化の影響を受けつつも、本質的に善を行う能力を持つ存在であるという確信は、倫理や共同体の基盤として非常に重要である。

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