「教会の指導者たちはしばしばナルキッソスのように、廷臣たちにおもねられ、病的なまでに舞い上がってきた。宮廷は教皇制のハンセン病である」

- 1936年12月17日~2025年4月21日(88歳没)
- アルゼンチン出身
- カトリック教会第266代ローマ教皇
英文
“Leaders of the Church have often been Narcissus, flattered and sickeningly excited by their courtiers. The court is the leprosy of the papacy.”
日本語訳
「教会の指導者たちはしばしばナルキッソスのように、廷臣たちにおもねられ、病的なまでに舞い上がってきた。宮廷は教皇制のハンセン病である」
解説
この言葉は、教会内部における権力構造と取り巻きによる堕落を厳しく批判している。ナルキッソスとは自己愛に溺れる人物の象徴であり、指導者が周囲の取り巻きからの称賛に酔いしれる様を指している。そして「宮廷をハンセン病」と表現することで、教皇制度にとって取り巻き文化が腐敗を広げる深刻な病であることを示している。
背景には、歴史的に教皇庁や教会の上層部が権力や名誉に執着し、取り巻きの影響で本来の使命から逸れてしまった事実がある。教皇はこの現実を率直に認め、教会が権力志向ではなく奉仕の精神に基づいて生きるべきだと警告している。これは、制度的な改革とともに、個々の指導者の姿勢の変革を求める言葉である。
この名言は、現代の組織や社会にも通じる普遍的な警句である。リーダーが周囲の称賛や利益供与に溺れれば、組織は堕落し、使命を見失う。逆に、謙虚さと誠実さを保つリーダーこそが健全な共同体を築くことができる。この言葉は、教会に限らず、あらゆる組織において取り巻き文化の危険性を鋭く突いたものである。
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