「どこであれ壁を築くことばかり考え、橋を築こうとしない人はキリスト者ではない。これは福音に反している」

教皇フランシスコ(画像はイメージです)
教皇フランシスコ(画像はイメージです)
  • 1936年12月17日~2025年4月21日(88歳没)
  • アルゼンチン出身
  • カトリック教会第266代ローマ教皇

英文

“A person who thinks only about building walls, wherever they may be, and not building bridges is not Christian. This is not in the Gospel.”

日本語訳

「どこであれ壁を築くことばかり考え、橋を築こうとしない人はキリスト者ではない。これは福音に反している」

解説

この言葉は、排除や分断ではなく、対話と和解を重んじるキリスト教の本質を示している。壁は人々の間に物理的・心理的な隔たりを生み、互いの理解を妨げる存在である。一方で橋は、断絶された人々や集団をつなぎ、信頼と共生への道を開く象徴である。この名言は、宗教的アイデンティティを真に体現するには、分断を助長するのではなく、和解に努めるべきであるという倫理的メッセージを含んでいる。

この発言の背景には、移民や難民、貧困層などへの対応をめぐって欧米諸国で広がる排他的な政策への懸念があると考えられる。とくにアメリカで物理的な「壁の建設」が政治課題として扱われた際に、キリスト教の教えを掲げながらも排他主義的な言動が取られる矛盾に対して、教皇が警鐘を鳴らした文脈で発せられた可能性が高い。

この名言は、個人・国家を問わず、他者との接点を持ち、共感と連帯の精神を育てることが信仰にふさわしい態度であるという指針を与える。例えば、宗教・文化の異なる隣人との共存、対立する国同士の外交、貧困層への支援などにおいて、橋をかける姿勢が現代社会に求められている。福音は壁ではなく、橋を通して人々をつなぐためのものであるという教皇の信念が、この一文に凝縮されている。

感想はコメント欄へ

この名言に触れて、あなたの感想や名言に関する話などを是非コメント欄に書いてみませんか?

「教皇フランシスコ」の前後の名言へ

申し込む
注目する
guest

0 Comments
最も古い
最も新しい 高評価
インラインフィードバック
すべてのコメントを見る