「進化とは理論か、体系か、仮説か。それ以上のものである。それはあらゆる理論、あらゆる仮説、あらゆる体系が従わねばならず、またそれに適合しなければ、もはや考え得るもの、真なるものとはなり得ない一般的条件なのである」

ピエール・テイヤール・ド・シャルダン(画像はイメージです)
ピエール・テイヤール・ド・シャルダン(画像はイメージです)
  • 1881年5月1日~1955年4月10日(73歳没)
  • フランス出身
  • イエズス会士、神学者、古生物学者、哲学者

英文

“Is evolution a theory, a system, or an hypothesis? It is much more: it is a general condition to which all theories, all hypotheses, all systems must bow and which they must satisfy henceforward if they are to be thinkable and true.”

日本語訳

「進化とは理論か、体系か、仮説か。それ以上のものである。それはあらゆる理論、あらゆる仮説、あらゆる体系が従わねばならず、またそれに適合しなければ、もはや考え得るもの、真なるものとはなり得ない一般的条件なのである」

解説

この名言は、テイヤール・ド・シャルダンが進化を宇宙の根本的枠組みとして捉えた視点を端的に示している。進化は科学の一理論にとどまらず、すべての思考体系が前提とせざるを得ない普遍的条件であるとされる。つまり、進化は特定の学説ではなく、真理そのものを理解するための基盤的座標軸である。

背景には、彼の進化神学と宇宙論がある。ダーウィン以来の進化論をさらに拡張し、宇宙の物質、生命、意識のすべてが進化の流れに含まれると理解した。ここで進化は単なる生物学の範疇を超え、科学・哲学・神学の共通基盤として位置づけられている。

現代的に解釈すれば、この言葉は進化の概念が学問横断的な統合原理であることを指摘する。物理学、生命科学、社会科学、さらには思想や倫理に至るまで、進化を無視した理論は不完全とされる。テイヤールの視点は、進化を「条件」として据えることで、人類の知の全体を統一する可能性を示している。

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