「知られている人類の化石の数はゆっくりとしか増えない。しかしそれらを見て評価する方法は急速に進歩することができ、実際そうなっている。先史時代における全く驚異的な発見がない場合でも、人間を理解するための最新かつ科学的な方法が存在し、それは堅実に古生物学に基づいている」

ピエール・テイヤール・ド・シャルダン(画像はイメージです)
ピエール・テイヤール・ド・シャルダン(画像はイメージです)
  • 1881年5月1日~1955年4月10日(73歳没)
  • フランス出身
  • イエズス会士、神学者、古生物学者、哲学者

英文

“The number of known human fossils only increases slowly. But the manner of regarding and assessing them is capable of progressing rapidly, as indeed it does. In the absence of any absolutely sensational discovery in prehistory, there is an up-to-date and scientific manner of understanding man, which is solidly based on palaeontology.”

日本語訳

「知られている人類の化石の数はゆっくりとしか増えない。しかしそれらを見て評価する方法は急速に進歩することができ、実際そうなっている。先史時代における全く驚異的な発見がない場合でも、人間を理解するための最新かつ科学的な方法が存在し、それは堅実に古生物学に基づいている」

解説

この言葉は、人類学と古生物学における知識の進展の仕方を述べている。テイヤール・ド・シャルダンは古生物学者として多くの発掘に携わり、人類進化の研究を推進した。化石そのものの発見は少なく時間もかかるが、既存の資料をどう解釈し、評価するかという学問的態度や方法は急速に発展し得ることを強調している。

背景として、20世紀初頭から中頃にかけての人類化石の研究がある。北京原人の発見や他の化石研究は、人類進化に対する新たな理解をもたらした。シャルダンはこの流れの中で、劇的な新発見がなくても学問は深化し得るという視点を提示し、古生物学的アプローチの重要性を訴えた。

現代的に見ると、この名言は科学一般にも通じる。発見そのものの数は限られていても、解釈や理論の進展が科学を前進させるという原理である。人類進化研究に限らず、データの新しい読み取り方や方法論の刷新が知識を飛躍させる。この言葉は、地道な研究の積み重ねと学問的方法の革新が、確かな理解を築くことを示している。

感想はコメント欄へ

この名言に触れて、あなたの感想や名言に関する話などを是非コメント欄に書いてみませんか?

「テイヤール」の前後の名言へ


申し込む
注目する
guest

0 Comments
最も古い
最も新しい 高評価
インラインフィードバック
すべてのコメントを見る