「有害でない種類の読書は、労働者階級の余暇を埋めがちな娯楽に対する良き代替となるに違いない」

- 1751年3月16日~1836年6月28日(85歳没)
- アメリカ合衆国出身
- 政治家、第4代アメリカ合衆国大統領、「合衆国憲法の父」
英文
”Any reading not of a vicious species must be a good substitute for the amusements too apt to fill up the leisure of the labouring classes.”
日本語訳
「有害でない種類の読書は、労働者階級の余暇を埋めがちな娯楽に対する良き代替となるに違いない」
解説
この言葉は、読書の社会的価値を強調している。ジェームズ・マディソンは、労働者が余暇をどのように過ごすかが社会全体に影響を与えると考え、無益または有害な娯楽に流れるよりも、健全な読書がより望ましいと述べている。ここで重要なのは、読書が単なる知識習得の手段ではなく、人々の精神を鍛え、社会の健全性を保つ役割を持つと認識されている点である。
この背景には、18世紀から19世紀初頭にかけての社会変化がある。産業革命に伴い労働者階級が拡大し、彼らの生活に余暇が生じるようになった。その余暇が酒や賭博などの破壊的な娯楽に費やされる危険がある一方で、読書は自己啓発や市民意識の涵養につながると考えられた。啓蒙思想の流れの中で、読書は社会秩序と進歩に資する手段と見なされたのである。
現代においても、この言葉は適用可能である。大衆娯楽やデジタルコンテンツが氾濫する社会において、読書は依然として深い思考や批判的判断を育む力を持っている。マディソンの言葉は、余暇をいかに使うかが個人の成長と社会の健全性に直結するという普遍的な真理を示しているのである。
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