「罰とは、不正なる者に対する正義である」

アウグスティヌス(画像はイメージです)
アウグスティヌス(画像はイメージです)
  • 354年11月13日~430年8月28日(75歳没)
  • ローマ帝国(現アルジェリア)出身
  • 神学者、哲学者、キリスト教教父、ラテン教父

英文

”Punishment is justice for the unjust.”

日本語訳

「罰とは、不正なる者に対する正義である」

解説

この言葉は、正義と罰の関係について端的に述べたものである。アウグスティヌスは、人間の行為が道徳的秩序に反するとき、その秩序を回復する手段として罰が正当化されると考えた。つまり、罰とは単なる報復ではなく、秩序の回復を目的とした正義の表現である。

彼の神学において、神の裁きもまたこの正義の一形態である。罪に対する罰は、神の正義がこの世界において、また終末において成就する方法であるとされる。アウグスティヌスは、人間が自ら選んだ不正の結果として罰を受けることを、「神の秩序が貫かれること」と見なした。

この思想は現代においても、法と倫理の分野において生きている。社会の秩序を守るためには、不正に対する罰が必要であるという考え方は、法制度の根本にある理念のひとつである。ただし、それが報復的にならず、回復的・教育的な意味をもつ正義として機能することが望ましいという視点もまた重要である。

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