「神があなたにどれほど与えたかを知り、その中から自分に必要な分だけを取りなさい。残りは他の人々に必要とされているのだ」

アウグスティヌス(画像はイメージです)
アウグスティヌス(画像はイメージです)
  • 354年11月13日~430年8月28日(75歳没)
  • ローマ帝国(現アルジェリア)出身
  • 神学者、哲学者、キリスト教教父、ラテン教父

英文

”Find out how much God has given you and from it take what you need; the remainder is needed by others.”

日本語訳

「神があなたにどれほど与えたかを知り、その中から自分に必要な分だけを取りなさい。残りは他の人々に必要とされているのだ」

解説

この言葉はアウグスティヌスの名言としてしばしば紹介されるが、彼の現存する著作に同一の文言は確認されていない。ただし彼の思想、とりわけ富と隣人愛に関する教えを反映した後世的な要約と考えられる。アウグスティヌスは繰り返し、富や所有物は神から委ねられたものであり、自らの必要を超える分は他者への奉仕に用いられるべきと説いている。

この考えは、初期キリスト教共同体の財産共有の精神や、施しを通じて隣人を助ける実践に根ざしている。アウグスティヌスにとって、富の独占は単なる浪費ではなく、隣人から必要なものを奪う行為であった。神の恵みは共同体のためにあるという発想が根底にある。

現代においても、この言葉は大きな意義を持つ。経済格差や資源の偏在が問題となる今日、必要以上の蓄財や浪費は倫理的に問い直されている。自分に与えられたものを分かち合い、他者と共に生きる姿勢は、持続可能な社会や公正な世界を築くための普遍的な原則である。

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