「働く者は祈っているのと同じである」

- 354年11月13日~430年8月28日(75歳没)
- ローマ帝国(現アルジェリア)出身
- 神学者、哲学者、キリスト教教父、ラテン教父
英文
”He who labours, prays.”
日本語訳
「働く者は祈っているのと同じである」
解説
この言葉は、労働そのものが祈りの一形態であるというアウグスティヌスの思想を表している。彼にとって祈りは単なる言葉や儀式ではなく、神に心を向ける行為全般を意味した。したがって、正しい意図をもって誠実に働くことは、神への奉仕であり、祈りに等しい価値を持つとされたのである。
この考えは、後のキリスト教修道院運動に大きな影響を与えた。特に「祈れ、そして働け(Ora et Labora)」を標語としたベネディクト会の精神は、この言葉を体現している。労働を神聖な営みとして捉える視点は、中世ヨーロッパの修道文化を支えただけでなく、後世の労働観にも深く刻まれた。
現代においても、この教えは意義深い。日々の仕事や生活の中で誠実に努力することは、単なる生産活動にとどまらず、人間の精神性を高め、社会に奉仕する行為となる。労働を通じて自己を鍛え、他者に貢献する姿勢こそが、祈りと同等の価値を持つというアウグスティヌスの指摘は、今日でも普遍的な示唆を与えている。
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