「白人は、自らの報道機関において私を『憎悪』と結びつけようとするだろう」

マルコム・X(画像はイメージです)
マルコム・X(画像はイメージです)
  • 1925年5月19日~1965年2月21日(39歳没)
  • アメリカ合衆国出身
  • 黒人解放運動家、公民権活動家

英文

”The white man, in his press, is going to identify me with ‘hate.’”

日本語訳

「白人は、自らの報道機関において私を『憎悪』と結びつけようとするだろう」

解説

この言葉は、マルコム・Xがメディアによるレッテル貼りを予見した発言である。彼は、自らの過激な発言や黒人の自己防衛の主張が、白人社会の報道によって「憎悪」や「過激派」として描かれることを理解していた。つまり、メディアが権力構造を守るために、彼の主張の核心ではなくイメージ操作を通じて黒人解放運動を矮小化・悪 demon化することを警告したのである。

公民権運動期、主流メディアはキング牧師を「非暴力の象徴」として好意的に扱う一方で、マルコム・Xを「憎悪の使徒」と描き出した。これにより、黒人社会の正当な怒りや抵抗は「危険思想」とされ、社会的な支持を削がれようとした。マルコム・Xはこうした報道の仕組みを見抜き、自らの思想が歪められることを受け入れた上で闘い続けたのである。

現代でもこの言葉は響く。社会運動や抗議活動において、メディアが一部を切り取り「過激」「暴力的」として報じることで、運動全体の正当性が損なわれることは多い。マルコム・Xの言葉は、権力に挑む者は必ずイメージ操作の対象にされるという現実を突きつけるものであり、情報社会における批判的視点の重要性を示している。

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