「テーブルに座っても食事をしている人にはならない。皿の上のものを食べてこそ食事をしていることになるのだ。アメリカにいるからといってアメリカ人になるわけではない。アメリカで生まれたからといってアメリカ人になるわけではない」

- 1925年5月19日~1965年2月21日(39歳没)
- アメリカ合衆国出身
- 黒人解放運動家、公民権活動家
英文
”Sitting at the table doesn’t make you a diner. You must be eating some of what’s on that plate. Being here in America doesn’t make you an American. Being born here in America doesn’t make you an American.”
日本語訳
「テーブルに座っても食事をしている人にはならない。皿の上のものを食べてこそ食事をしていることになるのだ。アメリカにいるからといってアメリカ人になるわけではない。アメリカで生まれたからといってアメリカ人になるわけではない」
解説
この言葉は、マルコム・Xが名目上の所属と実際の権利・待遇の違いを比喩で表したものである。形式的にアメリカに存在しても、またアメリカで生まれても、黒人が白人と同じ権利を享受できない限り、真のアメリカ人とはみなされないという厳しい現実を突きつけている。
公民権運動期の黒人は、市民権を名目上は持ちながらも、投票権制限、教育や雇用の差別、警察による暴力などにさらされ続けていた。マルコム・Xは、国籍や出生地ではなく、実際の平等と権利の保障こそが市民である証だと訴え、この矛盾を鋭く批判した。
現代においても、この言葉は移民やマイノリティの地位に関わる議論に通じる。国籍や出生証明だけでは真の社会的平等は得られず、実質的な権利の行使が伴ってこそ本当の「市民」と言える。マルコム・Xの比喩は、表面的な立場と実質的な待遇の隔たりを考えさせる普遍的な警告である。
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