「アメリカの黒人が人種的な敵意を抱いたとしても決して非難されるべきではない――それは400年間にわたるアメリカ白人の意識的な人種差別に対する反応に過ぎないのだ」

- 1925年5月19日~1965年2月21日(39歳没)
- アメリカ合衆国出身
- 黒人解放運動家、公民権活動家
英文
”The American Negro never can be blamed for his racial animosities – he is only reacting to 400 years of the conscious racism of the American whites.”
日本語訳
「アメリカの黒人が人種的な敵意を抱いたとしても決して非難されるべきではない――それは400年間にわたるアメリカ白人の意識的な人種差別に対する反応に過ぎないのだ」
解説
この言葉は、マルコム・Xが黒人の怒りの正当性を擁護した発言である。彼は黒人の敵意や憤りを生得的なものではなく、奴隷制と差別という長い歴史的抑圧の帰結として位置づけた。つまり黒人の反応は「原因なき憎悪」ではなく、白人社会が作り出した歴史的必然であるという強い主張である。
背景には、1960年代の公民権運動に対して「黒人の過激さ」や「暴力性」を批判する声があったことがある。マルコム・Xはそうした批判に対し、黒人の敵意を問題視するよりも、まず400年にわたる抑圧の加害責任を問うべきだと訴えた。この論理は、黒人解放運動を防衛的で正当なものとして再定義する役割を果たした。
現代においても、この言葉は社会的不平等の議論に通じる。マイノリティや被抑圧集団の怒りや抗議はしばしば「過激」として非難されるが、その背後には長い差別や不公正の歴史がある。マルコム・Xの言葉は、怒りを単なる感情としてではなく、構造的差別への歴史的反応として理解する必要性を強く訴えている。
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