「投票か、それとも銃弾かでなければならない。投票か銃弾かである。そのような表現を使うことを恐れるなら、お前は綿畑に戻るべきだし、路地裏に引っ込むべきだ」

マルコム・X(画像はイメージです)
マルコム・X(画像はイメージです)
  • 1925年5月19日~1965年2月21日(39歳没)
  • アメリカ合衆国出身
  • 黒人解放運動家、公民権活動家

英文

”It’s got to be the ballot or the bullet. The ballot or the bullet. If you’re afraid to use an expression like that, you should get back in the cotton patch, you should get back in the alley.”

日本語訳

「投票か、それとも銃弾かでなければならない。投票か銃弾かである。そのような表現を使うことを恐れるなら、お前は綿畑に戻るべきだし、路地裏に引っ込むべきだ」

解説

この言葉は、1964年にマルコム・Xが行った有名な演説「The Ballot or the Bullet」に由来する。彼はここで、黒人が平等を勝ち取る手段は投票による政治的力か、あるいは武力による闘争かという厳しい二択を突きつけた。これは単なる過激な言葉ではなく、当時の黒人社会が直面していた切迫した現実を象徴している。

この背景には、公民権法の制定をめぐる激しい攻防と、依然として続く人種差別があった。投票権の行使が黒人の解放に不可欠である一方で、制度的な妨害が根強く残っていた。マルコム・Xは、もし政治参加が封じられるなら、黒人は自らを守るために銃弾という現実的手段を用いる以外にないと警告したのである。ここには、権利が拒まれるなら力で奪うしかないという彼の闘争哲学が込められている。

現代においても、この言葉は比喩的に重要な意味を持つ。選挙や民主的プロセスが形骸化し、人々の声が政治に届かない場合、社会は不安定化し暴力的対立に傾きやすい。例えば世界各地での抗議運動や政権批判の高まりは、政治参加が不十分であることの反動ともいえる。マルコム・Xの言葉は、真の民主主義の確立が社会の安定に不可欠であることを鋭く訴え続けている。

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