「この瞬間、私たちが眠っていて、すべての思考が夢なのか、あるいは目覚めた状態でお互いに話しているのか、どう証明できるだろうか?」

- 紀元前427年~紀元前347年
- 古代ギリシアのアテナイ(アテネ)出身
- 哲学者、学者、アカデメイア(アカデミー)創設者
英文
”How can you prove whether at this moment we are sleeping, and all our thoughts are a dream; or whether we are awake, and talking to one another in the waking state?”
日本語訳
「この瞬間、私たちが眠っていて、すべての思考が夢なのか、あるいは目覚めた状態でお互いに話しているのか、どう証明できるだろうか?」
解説
この名言は、現実と夢の境界、そして人間の知覚や意識の本質についての哲学的疑問を投げかけている。プラトンは、私たちが現実だと思っているものが本当に現実なのか、それとも幻想や夢のようなものなのかを考えるよう促している。私たちの知覚や経験はどこまで信頼できるのか、そして何をもって真実とするのかという問いがこの言葉に込められている。
この問いは、プラトンの哲学において「現象と実在」の関係を考える上で重要である。彼は、目に見える物質的な世界は本当の現実ではなく、理想的な形而上学的な「イデア」の影に過ぎないと考えた。このような考え方は、私たちが現実だと思っているものがどれほど主観的であるか、また、物質的な世界が絶対的な真理を反映しているわけではないという点に焦点を当てている。夢と現実の違いが必ずしも明確ではないという考えは、知識の本質を問い直す出発点となる。
この名言は、近代哲学においても大きな影響を与えた。たとえば、ルネ・デカルトは「我思う、ゆえに我あり」という結論に至るまで、現実と夢の境界を疑い、自らの存在を確信するために徹底した懐疑を行った。デカルトは、夢の中でも現実のように感じられることから、目覚めていると信じるすべての経験も疑う必要があると考えた。このような哲学的懐疑は、人間の認識がいかに不確かであるかを示し、知識の本質を探るための基礎となった。
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