「私を最も苦しめたものこそが、生きているすべての人々、そしてかつて生きたすべての人々と私を結びつけるものなのだと教えてくれたのは本であった」

- 1924年8月2日~1987年12月1日(63歳没)
- アメリカ合衆国出身
- 作家、評論家、公民権運動家
英文
”It was books that taught me that the things that tormented me most were the very things that connected me with all the people who were alive, or who had ever been alive.”
日本語訳
「私を最も苦しめたものこそが、生きているすべての人々、そしてかつて生きたすべての人々と私を結びつけるものなのだと教えてくれたのは本であった」
解説
この言葉は、読書が人間の苦悩を普遍的な経験として結びつける力を持つことを示している。個人が抱える苦しみは孤独に思えるが、文学や歴史の中で同じ苦しみを経験した人々の存在を知ることで、それは普遍的な人間経験であることが理解される。本は孤立を癒し、共感とつながりを生む媒体なのである。
ボールドウィン自身、差別や孤独に苛まれた経験を持っていたが、文学を通してそれが自分だけの苦しみではないことを学んだ。苦悩を分かち合えることが人間を人間たらしめるという認識は、彼の作家としての原点でもあった。読書は彼にとって自己救済であると同時に、普遍的人間性への窓口だったのである。
現代においても、この言葉は大きな意味を持つ。多くの人が孤独や苦しみを抱える中で、本を通して他者の声に触れることは、自己理解と他者理解を深める手段となる。苦悩は断絶ではなく、人間をつなぐ共通項であるという洞察は、今もなお読書の本質的な価値を語っている。
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