「人が自らに行動とは何かと問うとき、その人は行動の人ではないことを証明している。行動とは均衡の欠如である。行動するためには、どこか狂気を帯びねばならない。理性的に妥当な人間は思索に満足する」

ジェイムズ・ボールドウィン(画像はイメージです)
ジェイムズ・ボールドウィン(画像はイメージです)
  • 1924年8月2日~1987年12月1日(63歳没)
  • アメリカ合衆国出身
  • 作家、評論家、公民権運動家

英文

”When a man asks himself what is meant by action he proves that he isn’t a man of action. Action is a lack of balance. In order to act you must be somewhat insane. A reasonably sensible man is satisfied with thinking.”

日本語訳

「人が自らに行動とは何かと問うとき、その人は行動の人ではないことを証明している。行動とは均衡の欠如である。行動するためには、どこか狂気を帯びねばならない。理性的に妥当な人間は思索に満足する」

解説

この言葉は、行動と理性の対立を描き出している。ボールドウィンは、行動とは本質的に均衡を欠いたものであり、冷静に考えすぎる人間には踏み出せない領域であると説く。すなわち、行動にはある種の「狂気」や理性を超える衝動が必要とされるのである。

彼が生きた時代、特に公民権運動のただ中では、行動は危険を伴い、慎重さや均衡を保つだけでは社会を変えることはできなかった。不合理に見える勇気や無謀さこそが変革を可能にするという文脈を背景に、この言葉は力を持つ。思索に留まる人々が多い中、実際に一歩を踏み出した人々が社会を動かしたのである。

現代においても、この指摘は重要である。企業や政治、あるいは個人の挑戦においても、過度に理性的で慎重な態度は停滞を招く。行動には必ずリスクと狂気が伴うが、それを受け入れた者だけが変化を生み出す。この逆説的な真理は、行動と思想の関係を考える上で普遍的な洞察である。

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