「異常なエネルギーによって行使される権力は、最も深刻な現実である」

• 1838年2月16日～1918年3月27日（80歳没）
• アメリカ合衆国出身
• 歴史家、文筆家、政治評論家

英文

”Power when wielded by abnormal energy is the most serious of facts.”

日本語訳

「異常なエネルギーによって行使される権力は、最も深刻な現実である」

解説

この言葉は、強大な権力が非凡で常軌を逸したエネルギーによって握られたとき、それがいかに危険で重大な影響を及ぼすかを警告している。ここで言う「abnormal energy（異常なエネルギー）」とは、常識を超えた情熱、狂気、あるいは冷酷な意志を指し、それが制度や倫理を超越したとき、権力は制御不能な現象と化す。

ヘンリー・アダムズは、歴史家として数々の指導者や革命の変遷を見てきた。その経験から、個人の内面的なエネルギーと、権力の運用が結びついたときの恐ろしさに着目している。特にナポレオンのようなカリスマ的人物や、急進的な運動が国家を動かした歴史は、アダムズの思想に深く影を落としている。

現代においても、この警句は有効である。独裁者や急進的な指導者が強烈な意志や情熱で大衆を動員し、法や制度を軽視して暴走する例は、20世紀から現在にかけて多く見られる。この名言は、制度やバランスを超えて力を集中させることの危険性を認識し、その兆候に対して警戒心を持つ必要があることを示している。権力とは本質的に中立ではなく、誰がどのように持つかによって「最も深刻な現実」へと変貌するのである。

感想はコメント欄へ

この名言に触れて、あなたの感想や名言に関する話などを是非コメント欄に書いてみませんか？

「ヘンリー・アダムズ」の前後の名言へ

おすすめの関連記事

P・J・オローク

「コロンビア特別区は、教育への財政投入と成果の断絶という点で、極端な例である。だが残念ながら、『極端』であることは『異常』であることとは違うのだ」

オノ・ヨーコ

「力は力です。それはエネルギーです。そしてもし大きな大きなエネルギーを得たなら、それを良い方法で使うことができるのです」

オノ・ヨーコ

「力は力です。それはエネルギーです。そしてもし大きな大きなエネルギーを得たなら、それを良い方法で使うことができるのです」

ユング

「死を避けようとすることは不健康で異常なことであり、それは人生の後半からその目的を奪う」

ヘンリー・アダムズ

「誰も自分の言うことすべてを本気で意味しているわけではなく、しかも自分の意味することすべてを口にする者はほとんどいない。なぜなら言葉は滑りやすく、思考は粘り気をもっているからだ」

ランダムな名言へ

ジャンプ！