「この人生とは病院のようなものであり、すべての患者は自分のベッドを替えたいという欲望に取り憑かれている」

- 1821年4月9日~1867年8月31日(46歳没)
- フランス出身
- 詩人、評論家、「近代象徴詩の先駆者」
英文
“This life is a hospital in which every patient is possessed with a desire to change his bed.”
日本語訳
「この人生とは病院のようなものであり、すべての患者は自分のベッドを替えたいという欲望に取り憑かれている」
解説
この言葉は、人間存在の不満と倦怠を象徴的に描いている。人生を病院に喩えることで、人は誰もが何らかの欠陥や苦痛を抱えながら生きていることを示す。そしてその中で、人は常に「今とは違う場所」や「別の状況」を求め続ける。欲望は決して満たされず、移ろいやすいのだという悲観的な洞察が込められている。
ボードレールが生きた19世紀は、産業化や都市化が進み、人々の生活は便利になる一方で倦怠(アンニュイ)と虚無感が蔓延した時代でもあった。病院という比喩は、彼が感じていた人間社会の閉塞感を反映しており、誰もが病者であるかのように描かれている。
現代においても、この言葉は普遍的である。仕事や環境を変えたい、生活の場を移りたいという衝動は多くの人に共通する。だがそれは本質的な解決にはならず、新しいベッドに移っても別の不満が生まれる。人間の欲望の尽きなさと、永遠の不満を、ボードレールは鋭く言い当てているのである。
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