「我々の都市生活は詩的で驚異に満ちた題材に豊かである。我々は驚異の大気に包まれ、浸されているのに、それに気づかない」

- 1821年4月9日~1867年8月31日(46歳没)
- フランス出身
- 詩人、評論家、「近代象徴詩の先駆者」
英文
”The life of our city is rich in poetic and marvelous subjects. We are enveloped and steeped as though in an atmosphere of the marvelous; but we do not notice it.”
日本語訳
「我々の都市生活は詩的で驚異に満ちた題材に豊かである。我々は驚異の大気に包まれ、浸されているのに、それに気づかない」
解説
この言葉は、都市の日常に潜む美と驚異を描き出している。ボードレールは近代都市パリを観察し、そこに詩的想像力の源泉を見いだした。街路や雑踏、商店や人々の営みは平凡に見えるが、その背後には詩や芸術の題材となるべき無限の魅力が潜んでいる。問題は、人々が慣れによってその驚異を見過ごしてしまうことである。
19世紀のパリは近代化のただ中にあり、鉄道や街灯、大通りなどが次々と登場していた。ボードレールはその変貌を「近代の美」として肯定的にとらえ、都市生活こそが新たな芸術の舞台であると説いた。この感覚は彼の美術批評「近代生活の画家」に結実し、近代芸術の基盤となった。
現代においても、この言葉は響きを持つ。都市の喧騒や日常の風景はしばしば見過ごされるが、そこには文化や人間の営みの詩情が満ちている。ボードレールの言葉は、日常の中に潜む驚異を見抜く感性こそが芸術の出発点であることを教えているのである。
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