「夜の祈りを捧げる者は、歩哨を配置する隊長である。彼は安らかに眠ることができる」

シャルル・ボードレール(画像はイメージです)
シャルル・ボードレール(画像はイメージです)
  • 1821年4月9日~1867年8月31日(46歳没)
  • フランス出身
  • 詩人、評論家、「近代象徴詩の先駆者」

英文

”The man who says his evening prayer is a captain posting his sentinels. He can sleep.”

日本語訳

「夜の祈りを捧げる者は、歩哨を配置する隊長である。彼は安らかに眠ることができる」

解説

この言葉は、祈りを精神的防衛の手段として捉えている。夜に祈りを捧げる行為を、隊長が兵士を配置して陣地を守ることに喩えている点が特徴的である。祈りを行うことによって心の不安や恐れを和らげ、安心して眠りにつけるという意味合いを持つ。

ボードレールの時代、フランスでは宗教的信仰と近代的懐疑が交錯していた。彼自身はしばしば神や信仰に懐疑的な態度を示したが、同時に祈りが持つ象徴的な力を認めていた。この言葉における祈りは、単なる宗教的儀式ではなく、人生の恐怖や不確実性に対する精神的防壁として描かれている。

現代においても、この考え方は応用できる。必ずしも宗教的祈りに限らず、寝る前の瞑想や感謝の言葉、あるいは一日の振り返りも同じ役割を果たす。人はその行為によって心の哨兵を立て、安らかな眠りに入る準備を整える。ボードレールの比喩は、今もなお人間の内面の平安を守る術を示しているのである。

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