「大いなる野心、すなわち真の優位を求め、導き、指導しようとする欲望は、人間に特有のものであるように思われる。そして言葉こそが野心の大いなる道具である」

- 1723年6月5日~1790年7月17日(67歳没)
- スコットランド出身
- 経済学者、哲学者、「古典派経済学の父」
英文
“Great ambition, the desire of real superiority, of leading and directing, seems to be altogether peculiar to man, and speech is the great instrument of ambition.”
日本語訳
「大いなる野心、すなわち真の優位を求め、導き、指導しようとする欲望は、人間に特有のものであるように思われる。そして言葉こそが野心の大いなる道具である」
解説
この言葉はアダム・スミスが人間の野心と社会的地位への欲求について述べたものである。彼は、人間が他の動物と異なるのは、単に生存のためではなく、優位に立ち、他者を導こうとする欲望を持つ点にあると指摘した。そして、その欲望を実現する手段として言語を挙げ、人間社会における言葉の力を強調した。
この考え方は、『道徳感情論』における承認欲求や名誉心の議論とも結びついている。人間は他者からの賞賛や尊敬を強く求め、そのために弁舌や説得の技術を磨いてきた。スミスは、言葉が単なる意思伝達の道具ではなく、人間の野心を推進し、社会的秩序を形成する力を持つと理解していた。
現代においても、この洞察は大きな意義を持つ。政治家やリーダーが言葉を駆使して人々を導くことはもちろん、企業経営やメディアの世界でも、言葉は人々の意識を動かし、社会を方向づける決定的な道具である。スミスの言葉は、人間の野心とそれを実現する言語の力を鋭く結びつけた普遍的な警句として響き続けている。
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