「人間の本質については、大都市の犯罪記事を担当すれば十分に学べる――ベイルートに行く必要はない――しかし外国特派員は、貧困を異なる視点から理解し始めるのだ」

P・J・オローク(画像はイメージです)
P・J・オローク(画像はイメージです)
  • 1947年11月14日~2022年2月15日(74歳没)
  • アメリカ合衆国出身
  • 政治風刺作家、ジャーナリスト、ユーモリスト

英文

”You can learn all about the human condition from covering the crime beat in a big city – you don’t need to go to Beirut for that – but a foreign correspondent begins to understand poverty from a different perspective.”

日本語訳

「人間の本質については、大都市の犯罪記事を担当すれば十分に学べる――ベイルートに行く必要はない――しかし外国特派員は、貧困を異なる視点から理解し始めるのだ」

解説

この言葉は、ジャーナリズムの現場が人間理解の学校であるというオロークの洞察を示している。犯罪記事の取材は、人間の欲望、恐怖、暴力、弱さといった人間の普遍的な側面を明らかにする。一方で、外国特派員として現地に赴けば、特に紛争地や途上国において、構造的で根深い貧困の現実に直面することになる。ここでオロークは、同じ「人間の問題」でも、その見え方やスケールが変わることを強調している。

「Beirut(ベイルート)」は、内戦や中東情勢の象徴的な都市として引用されている。これは、危険な地域に行かなければ「人間の本質」を学べないと思い込む風潮に対する皮肉でもある。つまり、犯罪や貧困は身近な大都市にも存在するが、海外での経験はそれを異なる文脈で捉え直す契機になるということである。

現代社会においても、都市の犯罪や国内の貧困から学ぶことは多いが、グローバルな視点を持つことで貧困や不正義の構造的要因をより深く理解できる。オロークの言葉は、ローカルな体験とグローバルな視点の両方が、人間の本質を理解するために不可欠であることを示唆している。

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